海上に流出した油、海岸に迫る 仏コルシカ島
(CNN) フランスの地中海の海事行政担当当局は12日、海上に流出した油がコルシカ島へ接近しており、同島海岸部の汚染を防ぐ対策を急いでいることを明らかにした。
油の漂流は11日、同島ベンティエリにあるソレンツァラ空軍基地を拠点にした演習中に発見。12日朝までに2つの油膜が長さ19カイリ(約35キロ)以上にわたって広がり、同島アレリアとソレンツァラの間の東部海岸から約5カイリ離れた海域に漂っていることがわかった。
汚染対策の専門家の調べで、流出しているのは重油と判明。燃料タンクや原油タンクが空になった後に講じる「ガス抜き」作業に伴って発生した油膜の可能性があるとみている。
海事行政担当当局は、油膜の広がりの規模などから自然発生的に希釈する余地はないと判断、特定の汚染防止手段や必要な装備品の導入が必要と述べた。
当局の報道担当者によると、一部の油膜は海岸から最大で800メートル離れた海上で視認出来ると指摘。「12日に海岸部に到達することを危惧している」とも語った。
フランスのバルバラ・ポンピリ環境相は、アニック・ジラルダン海洋相と共に12日に現場を視察すると表明。また、海事警察が油漏出への捜査を開始したとも述べた。
今回の流出騒ぎを受け、コルシカ島の北部地域を管轄する行政当局はアレリアの海岸への進入経路を封鎖。地元住民に対し海岸で見つけた油の塊には一切触れないことなどを促した。関連海域での魚釣りなども11日夜に禁じられた。