野生のゾウ、民家の台所に突入 タイ中部
バンコク(CNN) タイ中部のプラチュワップキリカン県で先週末、野生のアジアゾウ1頭が民家の台所に突入して住人を驚かせた。
この家に住む女性によると、19日の夜、就寝中に階下の台所から音が聞こえたため家族が行ってみると、壁の穴からゾウの頭が出ていた。
台所の壁には先月もゾウが体当たりして、その時の穴をまだ修理していなかったという。
女性が撮影したビデオには、ゾウが鼻を伸ばして食器棚をあさり、皿をなぎ倒す様子が映っている。ポリ袋のような物を拾って口に入れる場面もあった。
女性は「この町でゾウがえさを探し回る姿は昔から見かけていたが、家を壊されたのは初めて」と話す。台所に食べ物は置いていなかったが、中にしまった食塩が狙われた可能性もあるという。
野生生物保護当局は日ごろから、塩などのミネラルを求めるゾウに注意するよう住民に呼び掛けてきた。
この地域では果物の収穫期などにゾウがよく目撃される。女性の家はゾウが生息する国立公園の入り口から近いために狙われたとも考えられる。
人間による開発が進んでゾウの生息地が破壊されることによるせめぎ合いは、タイだけでなくインドなど、アジア各地で近年激化している。