ハイチ厳戒態勢に、大統領暗殺の容疑者逮捕・殺害
封鎖状態は、ハイチの3段階の緊急レベルのうち、最も低い「非常事態」と最も高い「戦争状態」の中間に位置する。
封鎖状態の下では国境が封鎖され、戒厳令が一時的に発令されて、軍と国家警察が法執行の権限をもつ。
暗殺されたモイーズ氏の後任の大統領に誰が就任するのかは、現時点ではっきりしない。
通常であればハイチ最高裁長官が就任することになっているが、最高裁長官は最近、新型コロナウイルスのために死亡した。ジョゼフ首相代行が後任に就くためには議会の承認を得る必要がある。しかしこのところ選挙が実施されていなかったため、議会は実質的に機能不全状態にある。
モイーズ大統領の任期中は国政選挙も地方選挙も実施できない状況が続き、国の統治機構の大部分は空白状態にある。9月には憲法の是非を問う国民投票や大統領選、議会選が予定され、首長選や地方選は2022年1月16日に予定されている。
ハイチ大統領の暗殺を受け、各国の首脳らが追悼の談話を発表している。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は大統領暗殺を強く非難、「犯人は法によって裁かれなければならない」と強調した。
米国のジョー・バイデン大統領も暗殺を非難する談話を発表し、記者団に対して「ハイチの状況が非常に憂慮される」と語った。