中国で猛威振るうデルタ株、武漢は全住民対象の検査実施
香港(CNN) 中国を襲う新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大がパンデミック(世界的大流行)の震源地である湖北省武漢に到達し、市を挙げての検査実施を余儀なくされる事態となっている。当局はおよそ1年ぶりに地元で報告された感染事例の抑え込みに躍起だ。
中国は過去数カ月で最悪水準の感染拡大に苦慮。ここまで国内20以上の都市で、300人を超える感染者を検出している。
2019年12月に最初のコロナ感染者が見つかった武漢では今月2日、出稼ぎ労働者7人の間での感染が報告された。4日時点で無症状の8例を含む計20例の感染報告が寄せられている。湖北省の衛生当局が明らかにした。
最初の感染拡大がピークを迎えた20年1月、人口1100万人の武漢は世界最初にしておそらく最も厳格なロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。住民には重い負担がのしかかったものの、最終的にウイルスの抑止には成功。武漢市内での感染は同年5月以降全く報告されていなかった。
しかしここへきて、感染力の強いデルタ株に対し、当局は厳戒態勢を敷いている。
今月3日、武漢は全市民を対象にした組織的な新型コロナ検査を開始。この日は各地の検査場に長い列を作る住民の姿が夜遅くまで見られた。
一部の人々は再び厳格なロックダウンが行われるとの懸念から日用品の買いだめに走った。2日のソーシャルメディア上には、空になったスーパーの棚や買い物客が長蛇の列をなす画像および動画が投稿された。