タリバン、前政権の「協力者狩り」強化 家族逮捕も 報告書
(CNN) 国際情勢の分析などに当たる北欧ノルウェーの団体は21日までに、アフガニスタンで実権を握ったイスラム主義勢力タリバンが前政権に強く協力した全ての個人の追跡を強化しているとの報告書をまとめた。
危険が特に大きいのは前政権時代に軍、警察や調査担当部門で中枢の職務に就いていた人物と指摘。これら人物を逃した場合、家族を逮捕しシャリア(イスラム法)の解釈に従って処罰していると述べた。
報告書は同団体「ノルウェー国際分析センター」が国連のために作成した。CNNは報告書のコピーを入手した。
タリバンは前政権側にいた有志国軍に同調していたとみられる個人、その電話番号や家族構成のリスト作りを広げていることを示す多数の報告書があると説明。逮捕するためのリストに基づき個人やその家族に対象を絞った戸別訪問を実施しているとも述べた。
報告書にはタリバンの軍事委員会がまとめたとみられ、前政権で治安担当幹部を務めた人物に宛てた文書も含まれた。この人物は米英と良好な関係を築いていたともされる。
文書は8月16日付で、この人物にタリバン軍事委員会への報告を命令。応じなかった場合、家族が代わりに逮捕されると警告し、責任は人物自身にあると突き放したという。
CNNの独自の調査では、これら個人の追跡がどの程度進められているのかや逮捕された可能性がある人数も確認出来なかった。