タリバンに抵抗して職場へ、学校へ カブールの女性たち
爆弾テロで負傷した生徒の1人、サナム・バフニアさん(16)は、事件後に勇気を振りしぼって学校へ戻っていた。勉強熱心だった級友をテロで亡くし、「彼女の魂の平安のために、私が勉強して国をつくらなければ」と決意したからだ。
タリバンの命令で登校できなくなった今は、自宅で教科書を読む毎日だ。得意な教科は生物学。だが歯科医になる夢はもうあきらめた。
バフニアさんは声を震わせ、涙ながらに「タリバンのせいでこんなことになった。私の魂は消え、夢は葬られてしまった」と訴えた。
タリバンは一部の職場への女性の出勤を禁止し、男性のみで構成された暫定政権に抗議する女性たちのデモを鞭(むち)や棒で制圧した。
カブール北西部の町では、町内の美容院の看板にあった女性の顔がすべて黒く塗りつぶされたり、消されたりしていた。
美容院の店内にいた女性たちが匿名を条件に語ったところによると、タリバンはこの町でデモ隊を排除した後、女性の描写を撤去するよう命じ、女性たちに全身を覆う衣服「ブルカ」を着けて家にいるよう言い渡したという。
そんななかでも、一部の女性活動家はデモを続けてきた。先週も少人数の女性がデモに集まったが、タリバン部隊が大挙して出動し、「教育は人間のアイデンティティー」「私たちの本を焼くな、学校を閉めるな」と書かれたプラカードを取り上げて威嚇射撃を行った。
タリバンがカブールに設置している情報機関の責任者は、女性グループがデモの許可を取っていなかったと主張した。
CNNの記者が同責任者に、教育の権利を求める小規模なグループをどうしてそこまで恐れるのかと尋ねたところ、「私は女性を尊重し、女性の権利を尊重している。私が女性の権利を支持していなければ、あなたはそこにいられないだろう」という答えが返ってきた。