タリバンに抵抗して職場へ、学校へ カブールの女性たち
だが抗議デモへの弾圧はほかにもたびたび報告されている。主催者の1人、サハル・サヒル・ナビザダさんはデモの現場へ向かうたびに、あらゆる事態を覚悟するという。
「私自身が、あるいはほかに2~3人の女性が死んだりけがをしたりするとしても、私たちは後に続く世代に道を開くためにリスクを受け入れる。少なくとも私たちを誇りに思ってくれるはずだ」と、ナビザダさんは話している。
タリバンの支配が始まってからしばらくの間は家にこもっていたカブールの女性たちも、少しずつ公の場に戻り始めた。
1年前に夫を亡くした5児の母、アルゾ・ハリクヤルさんも、職場に復帰した女性の1人だ。夫が殺害された後、残されたのは1台の乗用車だけ。追い詰められて「これしかない」と始めたのがタクシー運転手の仕事だった。
タリバンの支配下で女性が運転を続けるのは難しくなってきた。ハリクヤルさんはよく知る町だけを走り、女性や家族連れの客を選ぶようにしている。リスクは十分承知しているが「ほかに選択肢はない」という。「時々タリバンの検問所を見かけて、ルートを変えることもある。それでも子どもたちのためにリスクを受け入れる」と語った。