エチオピアの反政府勢力、首都郊外に迫る 陥落の可能性も
ロンドン(CNN) エチオピアで、連邦政府と敵対する複数の反政府勢力の部隊が合流し、首都アディスアベバの郊外に迫る事態となっている。同国の外交筋が3日、CNNに対して明らかにした。前日には当局が、同国全土に非常事態宣言を発令し、市民に対して首都防衛のため武器を取るよう呼び掛けていた。
同国で紛争が拡大する一方、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、エチオピア政府が任命する人権委員会と合同で、同国北部ティグレ州で1年間にわたり続く流血の事態を調査。国連は合同調査によって明らかになった、「戦争犯罪」に当たる可能性がある実態について非難していた。
待ち望まれた報告書は、同国のアビー首相がティグレ州を支配する少数民族勢力、ティグレ人民解放戦線(TPLF)に対する軍事攻勢を命じてから1年近くが経過した今月3日のタイミングで公表された。
記者会見を行う国連のミシェル・バチェレ人権高等弁務官(写真中央)=3日、スイス・ジュネーブの国連本部/Martial Trezzini/EPA-EFE/Shutterstock
12カ月にわたって続く戦闘では、数千人が死亡し、200万人超が自宅を追われた。さらに飢餓に拍車が掛かり、相次ぐ残虐行為をもたらした。
反政府勢力の部隊が首都アディスアベバに歩みを進める事態も相まって、この紛争が全面戦争へと発展しかねないとの恐怖感が高まっている。
エチオピアの外交筋はCNNに対して3日、ティグレ防衛軍(TDF)および、同国最大の人口を抱えるオロミア州の非合法武装勢力、オロモ解放軍(OLA)の戦闘員らが首都郊外に迫っていることを明かした。