エチオピア軍、ティグレ州で新たに2回の空爆
(CNN) エチオピア政府報道官は24日、政府軍が北部ティグレ州で2回の空爆を行ったことを明らかにした。
報道官がCNNに語ったところによると、空爆の一つはマイツェブリにある同州の与党ティグレ人民解放戦線(TPLF)の軍事司令拠点や訓練所を標的とした。
もう一つの空爆の標的としたアドワについては、TPLFが軍の装備や偽のエチオピア国防軍の制服を製造していたと政府報道官は主張している。
エチオピアのアビー首相は昨年からTPLFに対する大規模攻撃を開始。これまでに市民数千人が死亡し、200万人以上が避難している。
TPLFの報道官は24日、エチオピア空軍がティグレ州で行った空爆の標的にされたのは、軍事拠点ではなく病院と繊維工場だったとツイートした。アドワの繊維工場については、数カ月前にエチオピア軍とエリトリア軍の攻撃によって完全に破壊され、ほとんど何も残っていなかったと説明。空爆された場所に「軍事目標」はなかったとしている。
ティグレ州では通信が途絶していて、TPLFや人道支援関係者、現地の目撃者と連絡が取れない状況にある。
エチオピア空軍はこの1週間で7回のティグレ空爆を実施。国連によると、18日の空爆では子ども3人が死亡した。
「戦争犯罪」とも非難されるエチオピア政府は、TPLFが領域を支配する隣接のアムハラ州で衝突が激化したことを受け、ティグレ州の州都メケレで空爆を繰り返している。
TPLFはかつて多民族連合の最も強力な集団としてエチオピアの政界で支配的な勢力だったが、2018年にアビー首相が就任すると、政府と衝突するようになった。
アビー氏が昨年後半に軍を送りメケレからTPLFを追いやったが、今年に入りTPLFと提携する部隊が反撃。メケレのほか、ティグレ州のほぼ全域とアムハラ州の広大な領域を掌握するに至った。