台風の死者375人に、孤立したままの集落も フィリピン
(CNN) 先週フィリピン中南部を襲った台風22号による死者は、21日までに300人を超えた。被害の大きかった地域では道路が寸断され、複数の集落が孤立したままになっている。
CNNフィリピンは国家警察の話として、少なくとも375人が死亡したと伝えた。警察によると少なくとも515人が負傷し、56人が今も行方不明になっている。
道路ががれきでふさがれたり冠水したりして、救助隊がたどり着けない地域もある。一部では電話やインターネットの通信も途絶えたままで、被害の全容は把握できていない。
フィリピン赤十字の責任者が21日に語ったところによると、人口約100万人のパラワン州では5カ所の橋が破壊され、多くの家屋が全壊した。赤十字のチームは孤立した集落に水や食料、医薬品などの緊急物資を送り込もうとしている。同責任者は国際社会に、資金の提供を呼び掛けた。
台風で壊れたマーケットの建物=フィリピン・シャルガオ島/Kate Hughes/AFP/Getty Images
特に被害の大きかったミンダナオ島スリガオ市の路上では、倒れた樹木や電柱に囲まれた住民らが水と食料を求め、物ごいをしている。警官らが道路から木の枝を撤去する姿も見える。
子ども支援の国際NGO、セーブ・ザ・チルドレンによると、台風で被災した子どもは少なくとも410万人。スリガオのあるカラガ地方では1万6000世帯あまりが避難所に収容されている。水を介した伝染病で下痢症状を示す避難民も出始めた。学校が破壊された地区も多く、被災者の苦難は長期間に及ぶことが懸念される。