タリバン、女性単独の遠出を禁止 男性の同伴義務付け アフガニスタン
(CNN) アフガニスタンで実権を握ったイスラム主義勢力タリバンは、女性が単独で遠出することを禁じる新法を制定した。陸路で45マイル(約72キロ)を超えて移動する場合、男性の親族が付き添うことを義務付けている。
勧善懲悪省の報道官は同法について、女性が遭遇する危害や「騒乱」を防止する目的で制定されたとCNNに説明している。
タリバンは8月に実権を握って以来、外国からの援助凍結解除を狙い、女性の権利に関して穏健な姿勢を示そうとしてきた。
しかし公共の場で女性を見かけることはほとんどなくなった。女性の多くは中等教育に戻ることを認めらず、大学では男女の学生の間がカーテンで仕切られている。
一時的とされた外出禁止命令などの規制は今も続く。ほとんどの女性は仕事に戻ることができず、公務員やテレビの娯楽番組などにかかわる仕事からは締め出されている。
11月にはタリバンの新たなメディア規制に基づき、女性がテレビドラマや恋愛ドラマ、娯楽番組に出演することは禁じられた。ニュース番組に出演する女性司会者は頭をスカーフで覆うことが義務付けられ、男性には「適切な服装」が義務付けられている。
タリバンは女性の権利向上を推進してきた女性問題省も廃止。国連によると、強制結婚などの虐待から女性を守る目的で2009年に制定された「女性に対する暴力撤廃法」も撤回され、女性にとっての司法の拠り所がなくなった。