過去7年の暑さ、観測史上7番目までの記録を独占 危機的な水準に近づく
(CNN) 欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービスは10日、2021年の世界の平均気温が観測史上5番目に高かったとの分析結果を発表した。地球の気温の高さは、過去7年で観測史上7番目までの記録を独占。化石燃料からの排出物によって熱が閉じ込められ、地球の気温は危険な上昇を続けている。
長期的には上昇傾向が続いているが、主にエルニーニョやラニーニャといった大規模な気象・海洋現象によって、世界の年間の気温は変動する。21年はラニーニャの発生が観測されており、地球の気温は低下傾向にある。
「特定の年のランキングだけに目を向けるのではなく、気温の上昇が続く全体像を見ることが大切だ。温暖化が続くといっても、気温が毎年前年を上回るわけではない」。コペルニクスの専門家はそう解説し、「だがこれまでのところ、10年ごとの気温は上昇しており、それは今後も続く公算が大きい」とした。
コペルニクスの報告によると、21年の平均気温は産業革命前の1850~1900年の平均に比べて約1.1度上昇。最悪の事態を避けるために守るべき上限の1.5度上昇という水準まで73%進行した状態になった。
気候危機は既に世界各地で未曽有の影響を及ぼしている。21年は北極圏の氷が解け、大勢の死者を出す洪水が発生し、前例のない熱波や記録的な干ばつに見舞われた。コペルニクスによれば、気候危機や悪化する災害の根本原因である温室効果ガスの濃度は上昇し続けている。