ハンガリー、4月にLGBTQ関連の国民投票実施
(CNN) 東欧ハンガリーで4月にLGBTQ(性的少数者)に関連した国民投票が行われることがわかった。政府が11日明らかにした。国民投票では、子どもたちに対して同性愛や性別の転換などを助長するとみなされる教材や教育プログラムを禁止する法律の是非が問われる。
この法律は昨年6月に議会を通過していた。学校でのLGBTQに関する議論を事実上禁止するものとなっており、野党や人権活動家から批判の声が出ている。欧州連合(EU)は、ハンガリーがEUの法律の下でのLGBTQの基本的権利を侵害しているとして、加盟国であるハンガリーを相手に訴訟を起こした。
今回の国民投票実施は、ハンガリーの強硬な国家主義的政府のそうした批判への対応といえそうだ。国民投票が行われる4月3日は議会選も行われる。
右派でポピュリストのオルバン首相は、法律について、LGBTQの権利を侵すものではなく、どのように子どもを教育するのかという親の権利を保護するものだと主張している。
EUの行政を担う欧州委員会は昨年7月、ハンガリーに対する訴訟を起こす際に、ハンガリー政府は、子どもたちがLGBTQ関連の内容に触れることが、なぜ子どもたちの幸福にとって有害であったり最善の利益に沿っていなかったりするのかということについて説明が不十分だと指摘していた。
専門家や人権活動家は、今回の国民投票の動きについて、オルバン首相が政治的な得点を稼ぎ、選挙前に野党を分断したいと考えているとの見方を示した。野党の多くはオルバン首相を倒そうとしているものの、LGBTQの権利問題は野党内で依然として大きな障害となっている。