ロシア軍待ち構えるキエフは「要塞化」、防衛の決意固い市民
希望者が多過ぎて入隊出来なかった住民らは別の方途でキエフ防衛に貢献している。火炎瓶づくり、バリケード用の迷彩ネットの縫製、見張り番らへの食料や飲み物、たばこの配達も含まれる。軍支援の資金集めもし、路上の障害物構築のほか、侵攻軍を妨害する目的で交通標識に塗料で細工もしている。
キエフ中心部で書店やコーヒーショップを営んでいた男性は店内を志願者の集まりの場に変えた。「ロシア軍に囲まれ、全ての供給網が断たれる最悪のシナリオの事態に備えている」と説明。防御網の整備に参加している志願者たちが現在取り組んでいるのは、近隣住民が一緒に生活などしなければならない苦境を想定し、隣人同士が良く知り合うことを奨励していることだという。食料や医薬品の分配にも役立つと期待している。
多くの市民は自宅にとどまっておらず、市中心部に出かけることもまずない。建物地階や地下鉄駅で息を潜めながらの生活に耐えている。
市中心部で閉店している商店は多いが、小さな店が営業を続けていた。店の前の道路を守っている軍兵士にコーヒーやたばこを提供するなどして開業を維持する覚悟だ。
経営者の女性は、きょうが何曜日なのかは忘れたが、戦争になって何日目かは確実に知っていると強調。ウクライナ国民は勝利を収めるだろうとも信じ、CNNによる取材の最後は尊称を省いて呼び捨てにしたプーチン大統領を罵倒(ばとう)する言葉で締めくくった。