奪った兵器でロシア軍に反撃、ウクライナ軍の「再生工場」を取材 キエフ
「先頭車両を攻撃したところ、爆発して隊列が停止した。(ロシア兵が)逃走したので装備品を奪った」(ゴロドフ氏)
ゴロドフ氏やその部下によると、こうした出来事は今回の戦場で頻発している。
「ロシア兵はおびえ、士気を失っている。あらゆる茂みから銃撃されるので、兵士たちはお互いから離れることを恐れている」(ゴロドフ氏)
中には非常に若い経験不足の兵士もいるようだと同氏は指摘する。「大半の兵士はここに来た理由を知らないし、理解もしていない」
経験不足なのはウクライナ領土防衛隊も同様だ。大半の隊員はロシア侵攻前はまったく軍事訓練を受けたことがなかったが、戦闘準備はできていると口をそろえる。
施設の別の場所では、AK47ライフルで武装した兵士がロシア兵との遭遇に備えて訓練を行っていた。グループで整然と動き、指揮官が自分たちの方向に空砲を撃ってもひるむ様子はない。
ゴロドフ氏はそんな隊員らを誇らしげに見守っていた。海軍を退役する前、同氏はロシア北西部ムルマンスクを拠点とするソ連北方艦隊で過ごした経験があり、ロシア軍の実力は熟知している。
同氏は取材班に対し、一見勝ち目がない状況でのウクライナの善戦は意外ではないと語った。
「ロシア軍の強さは神話に過ぎない」とゴロドフ氏。ウクライナの勝利を確信しているといい、「どうすればそれ以外の考えになるのか」と自信を見せた。