ロシア富豪とウクライナ交渉担当者、軽度の皮膚剥離や目の痛みを経験 情報筋
(CNN) ウクライナ交渉チームに近い情報筋はCNNに対し、数週間前にトルコで開かれたウクライナとロシアの交渉時に、両国の仲介者となっているロシア人富豪ロマン・アブラモビッチ氏とウクライナ交渉団2人の計3人が軽度の皮膚剥離(はくり)や目の痛みを経験していたと明らかにした。ただし、重大な事案とは考えられていないという。
ロイター通信は28日、匿名の米当局者の話として、症状が起きたのは毒を盛られたことによるものではなく、環境的な要因によるものと示唆する情報があると伝えた。
米紙ウォールストリート・ジャーナルと英調査報道機関ベリングキャットは同日早く、ウクライナの交渉担当者とアブラモビッチ氏が今月、キエフでの交渉時に毒物を盛られたと疑われる症状があったと報道した。一方、CNNに語った情報筋は、トルコで開かれた協議の際の事案だったと述べた。
ウクライナ大統領府に近い情報筋は匿名を条件にCNNに対して、毒物が盛られたとの報道について「これは真実ではない。新たな偽情報の実例だ」と述べた。
ウクライナの交渉担当者ポドリャク大統領顧問はこの事案について正面から否定しなかったが、同国の交渉担当者は全員いつも通り働いていると語った。
アブラモビッチ氏の広報担当者はCNNに対して、「我々からのコメントはない」と述べた。
アブラモビッチ氏は今月、ロシアの他のオリガルヒ(新興財閥)とともに、同国のウクライナ侵攻を受けた英国による制裁の対象者となった。同氏はロシアとウクライナの仲介者として動き、モスクワやキエフ、イスタンブール、ワルシャワなどの間を飛び回っている。
同氏が両国間で対話を進める役割は公式なものではなく、同氏はロシア代表団のメンバーやロシア側の仲介役でもない。