ANALYSIS

ロシア軍に深く根付いた「残虐行為の文化」

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チェチェン共和国の首都グロズヌイを歩くロシア軍の兵士=2000年2月5日/Elmira Kozhayeva/AP

チェチェン共和国の首都グロズヌイを歩くロシア軍の兵士=2000年2月5日/Elmira Kozhayeva/AP

プーチン氏の権力掌握の時期と重なった第2次チェチェン戦争の間には、ロシア兵による広範な人権侵害の疑いも浮上した。よく知られた事例を一つだけ挙げると、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)の調査員は2000年、チェチェン共和国の首都グロズヌイの郊外2カ所で民間人少なくとも60人の略式処刑を確認した。

地元住民はチェチェンの複数の場所で集団墓地を発見した。国際機関の関係者が事実確認のためこの地域を訪問し、虐待や超法規的殺人の情報について懸念を表明したが、ロシア軍による容赦ない鎮圧作戦を食い止めることはできなかった。

ブチャなどの町でもいま、同様の略式処刑の証拠が大量に見つかっている。CNN取材班はある建物の地下を訪れ、ウクライナ人チームによって収容される前の5人の遺体を目撃。ウクライナのゲラシチェンコ内相顧問はCNNに対し、この5人はロシア兵から拷問を受け処刑されたと明かした。

CNNはゲラシチェンコ氏の主張を独自に確認できていない。だが同様に気がかりなのが、ロシア軍によるウクライナ人捕虜の扱いだ。ウクライナ議会の人権オンブズマン、リュドミラ・デニソワ氏は4日、ロシアによる捕虜の扱いはジュネーブ条約に違反していると述べ、戦争犯罪での訴追の可能性があるとの理論的な主張を展開した。

デニソワ氏は4日、フェイスブックへの投稿で、解放されたウクライナの兵士が「ロシア側による非人道的な扱い」を訴えていると説明。兵士らは野原や穴、ガレージに留め置かれ、定期的に1人が連れ出されて銃床で殴られる、耳のすぐそばで発砲する、脅されるといった扱いを受けたという。

CNNはデニソワ氏の主張を独自に確認していない。

ロシア国営メディア「RT」の特派員、イゴル・ザダノフ氏は3月22日、ウクライナの捕虜が拘束後に「ろ過」(これはザダノフ氏の言葉だ)目的の調べを受けている様子を映した動画を投稿した。動画では覆面をかぶったロシア人が、「ネオナチ」集団への帰属を示すとされる入れ墨や記章がないか捕虜の体を調べる場面が映っている。ロシアはネオナチをウクライナにおける主要敵と位置づけている。

ザダノフ氏は投稿で、ウクライナの捕虜は人道的な処遇を受けていると述べたものの、同氏の「ろ過」という言葉の選択には不吉なものがある。よく知られていることだが、チェチェン戦争中、ロシア軍は民間人と反政府主義戦闘員を選別するために「ろ過収容所」を使っていた。伝説的なロシアの調査報道ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤ氏がろ過施設に収容されていた民間人の証言を収集したところ、収容者らは穴に閉じ込められ電気ショックや殴打、容赦ない尋問を受けた経験を明かした。

ロシア軍はウクライナの地方自治体の首長も拘束の標的としており、ウクライナ当局者によると、少なくとも1件で司法外の処刑が行われた。

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