侵攻のロシア軍部隊の4分の1、「事実上使えず」 欧州当局者
(CNN) ロシア軍がウクライナ侵攻に動員した大隊戦術群(BTG)のうちの約4分の1が、多くの人的損失、貧弱な後方支援態勢や部隊の維持管理などが原因で「事実上、作戦に投入出来ない」状態にあることが10日までにわかった。
欧州の政府当局者が明らかにした。CNNは侵攻が始まる前の時点で、ロシア軍が待機させている大隊戦術群は約120と報道。同当局者によると、侵攻が6週目に入り、このうちの約29が任務から外れたとした。
ロシア軍はこのなかで、実戦から除外されたBTGの残存兵力の一部を活用し、結束力ある戦闘部隊の編成を試みている。2~3の大隊戦術群の残余の兵力を使い、一つの部隊として再生させる対策などとなっている。
ロシアのペスコフ大統領報道官は7日、ロシア軍はウクライナで「多大な損失を被った」と認め、ロシアにとって「大いなる悲劇だ」との考えを表明した。
英テレビ局スカイニュースとの会見で、ウクライナの首都キーウ(キエフ)や北部チェルニヒウからのロシア軍撤退は両国間の交渉が続いていることを踏まえた「善意の行動」とも形容。ロシアが交渉の継続に好適な環境づくりの用意が実際にあることを示すため、緊張緩和を図った措置だったと主張した。
ロシア侵攻軍の死者数については、プーチン政権寄りのタブロイド紙コムソモリスカヤ・プラウダが先月、9861人と報道。ロシア大統領府が示している公式数字よりはるかに多い水準だった。
同紙はロシア国防省の情報としてこの人数を報じていたが、後になって死者数の部分を削除した。ハッキングの被害も伝えていた。
米政府や北大西洋条約機構(NATO)の当局者は先月、ロシア軍兵士の死者数は3000人から1万人の間と推定。ウクライナ政府当局者は、実際の人数はさらに多いと主張した。