戦争で親を失い負傷したウクライナの12歳少女、ロシアが情報戦に利用
ウクライナや米国のほか、独立系の人権団体の報告でも、ロシア軍や分離独立勢力の部隊はウクライナの民間人数万人をいわゆる「選別キャンプ」に送って身体検査を行い、スマートフォンや身分証などを没収した上で、ロシアに送り込んでいるとされる。
オレクサンデルさんによると、孫娘のキラさんも身分証を取り上げられ、ロシアで新しい身分証を支給される予定だという。
ウクライナの衝突の残虐性を繰り返し否定しているロシアのメディアは、キラさんが幸せそうな様子で祖父との電話が許されることもあると話す映像を流した。
ロシアのテレビ番組の司会者はこの映像を、キラさんが拉致されていない「証拠」と位置づけ、拉致されたという主張は「ウクライナの虚偽」だと訴えた。
オレクサンデルさんはキラさんから、泣かないでほしいと告げる音声メッセージを受け取ったという。しかしロシアの戦争で家族を失い、自由を失い、家を失った少女は、自分の涙を抑えることはできなかった。
「ずいぶん長いこと会ってないね」とキラさんはつぶやいた。「泣きたい」