EU諸国、ポーランドとブルガリアに天然ガス融通 ロシアからの供給停止受け
(CNN) 欧州連合(EU)の行政トップ、フォンデアライエン欧州委員長は27日、ポーランドとブルガリアがEU諸国から天然ガスの供給を受けると発表した。
ロシアのエネルギー大手ガスプロムは同日、両国への天然ガスの供給を停止した。両国がルーブルでの支払いを拒否したことを理由としている。
フォンデアライエン氏は、供給停止は「ロシア政府からの新たな挑発」で、ロシアが天然ガスを使ってEUを「ゆすろうと」していると非難した。
さらに「これは欧州委員会が加盟国や国際的なパートナーと緊密に調整、連携し準備してきた事態だ。我々の対応は即座で団結した、調整されたものとなる」と述べ、ガスプロムの決定が欧州諸国に及ぼす影響を最小限にとどめるとの決意を示した。
同氏はまた、信頼できるエネルギーパートナーの必要性を強調し、欧州でのロシア産化石燃料の時代の終わりを約束。天然ガスの十分な供給と備蓄に向けた「中期の」計画を確保すると誓い、「グリーンへの移行」の投資を進めていく意欲を示した。
ブルガリアのニコロフ・エネルギー相は同日、欧州委員会と「常に意思疎通をし」、EUレベルでの共同供給が議論されているとの声明を発表。首都ソフィアでの記者会見では「ブルガリアの天然ガスの消費は少なくとも今後1カ月分は保証されている。現時点で消費を制限する必要はない」と述べた。
ニコロフ氏によると、ガスプロムからの供給停止に関する警告は26日に届いたという。現在の契約では、ブルガリアのガス企業ブルガルガスは義務を完全に履行しているものの、供給側のガスプロムが約束を果たしていない状況だという。
ニコロフ氏は「現在のウクライナでの戦争下で、天然ガスがロシアの政治的、経済的武器として利用されているのは明らかだ」とも述べ、ブルガリアは圧力に屈して協議に応じることはないと述べた。
同国エネルギー省によると、ブルガリアのガス企業は「代替的な供給」の継続を確保しているという。