北朝鮮、新型コロナ流行「抑え込んだ」 新規症例数は減少と報告
ソウル(CNN) 北朝鮮国営メディアは22日、新規の「発熱症例」が20万例以下に減ったと伝え、新型コロナウイルスの感染拡大が減速していると強調した。
朝鮮中央通信(KCNA)によると、20~21日にかけての新規の症例は18万6090例で、29万9180人は回復し、1人が死亡した。
これが真実だとすれば、北朝鮮の症例数は目に見えて減っていることになる。公式統計によると、過去1週間は新規に報告された「発熱症例」が1日あたり20万例を超える日が続き、感染者の累計は250万人を突破、死者は67人に上っていた。
しかし北朝鮮国内の感染状況について独立した立場からの報告はなく、同国の新型コロナ対応については疑問視する見方が広がっている。
米国のジョー・バイデン大統領は21日、訪問先の韓国で、北朝鮮にワクチン供与を申し出たが、これまでのところ返答はないと語った。
北朝鮮が突如として新型コロナの問題を公表したのは、バイデン大統領の初のアジア歴訪や韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)新大統領との会談にタイミングを合わせた可能性があるとみる専門家もいる。
北朝鮮の国営メディアは、新規の症例数は16日の約39万例がピークだったと主張。当初は急激に増えていた感染者が、「安定的に制御・管理」されて減少に転じたと伝えている。
KCNAは、医療従事者など約20万人が、全土の廃棄物・下水処理施設など約10万カ所で「集中的な消毒」を行ったとして評価した。
また、軍の医療部隊を平壌市内の薬局670店に配備して、24時間態勢で医薬品を供給するとともに、医薬品供給の「迅速化と正確化」をはかるため。仮設の医薬品サービスセンター約20カ所を開設したと伝えている。