チョルノービリ原発、放射線測定器が復旧 ウクライナ侵攻後初
(CNN) 国際原子力機関(IAEA)は8日までに、チョルノービリ原子力発電所の周囲にある数十個の放射線測定器がデータの送信を始めたと明らかにした。測定器からのデータ送信はロシアがウクライナへの侵攻を開始してから初めて。
IAEAによれば、同地の測定器群はロシア軍が2月にチョルノービリ原発を占領して以降、稼働を停止していた。ロシア軍は3月31日に撤退するまで約5週間にわたって同原発を占領していた。
IAEAのグロッシ事務局長は、現在測定器が送ってくる測定結果について、放射線レベルが侵攻前に測定された値と合致していることを示していると述べた。
グロッシ氏は「立ち入り禁止区域からの放射線データの送信の再開は、原発の安全とウクライナの安全保障にとって非常に前向きな一歩だ」と指摘。原発がロシア軍の占領下にあった際には事実上の情報の喪失が長期間にわたって続き、放射線の状況は極めて不確実となっていたが、そうした事態が解消されたとした。
チョルノービリ原発は1986年4月26日、4号機で爆発があり、30人以上が死亡した。ウクライナ政府は周囲19マイル(約30キロ)を立ち入り禁止として住民約13万5000人を避難させた。立ち入り禁止区域は数十年にわたって居住が不可能な場所となっている。