中国南部で60年ぶりの豪雨、異常気象は一層の悪化を予想
(CNN) 中国南部が60年ぶりの豪雨に見舞われ、土砂崩れや河川の氾濫(はんらん)などの被害が広がっている。異常気象は今後一層頻度が増すと専門家は予想する。
中国国営メディアによると、少なくとも7省で土砂崩れが発生し、道路が水に浸かった。南西部の貴州省では河川が氾濫して道路が冠水し、車や住宅が押し流される映像がSNSに投稿されている。
地元気象当局は18日、広西チワン族自治区と広東省、福建省の降水量が1961年以来で最高に達したと伝えた。新華社通信によると、この地域の降水量は、5月1日~6月15日にかけての46日間の平均で621ミリを記録した。国家気象センターの統計に基づくと、これは2021年の中国全土の年間平均降水量672.1ミリの90%以上に相当する。
専門家によると、今後も中国南部では豪雨が予想され、北部は熱波に見舞われる見通し。
大雨は南部の貴州省、江西省、安徽省、浙江省、広西チワン族自治区で21日まで続く見通しで、その後は北上が予想されている。
中国では例年、6月から洪水の季節が始まり、大抵(たいてい)は長江や支流に面した人口密度の高い農業地域に被害が集中する。
しかしここ数年の洪水は激しさが増しており、専門家は事態の一層の悪化を予想している。
新華社通信によると、南東部の江西省では5月28日から6月11日にかけ、少なくとも110万人が洪水や豪雨で被災。木材や竹を生産する同省の農地22万3000ヘクタールが破壊された。
6月初旬には南部を襲った豪雨のために少なくとも32人が死亡。住宅2700棟以上が損壊し、コメ生産地の湖南省で9万6160ヘクタールの農地が破壊された。