ロシアの飛び地カリーニングラード、次の火種になるかもしれない理由

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2018年のロシアW杯の前には街中にカウントダウンボードが設置されていた/MLADEN ANTONOV/AFP/Getty Images

2018年のロシアW杯の前には街中にカウントダウンボードが設置されていた/MLADEN ANTONOV/AFP/Getty Images

国営タス通信が経済発展省の情報として伝えたところによると、EUによってロシア領への輸出が制限されている制裁対象製品としては、建設機械や工作機械などの産業機器がある。一部のぜいたく品も制裁対象に含まれる。

リトアニア外務省は20日の声明で、同国は「一方的、個別的、追加的」な制限は課していないと述べた。

リトアニアの駐ロシア代理公使は同日、ロシア外務省に呼び出され、カリーニングラードへの貨物輸送が完全に再開されない場合、ロシアは国益を守るための行動を取る権利を留保すると伝えられたという。

一方、EUは加盟国であるリトアニアを支持する姿勢を見せている。

地域政府の代表者、ドミストリー・リスコフ氏は住民に対し、今回の対立を受けたパニック買いは控えるよう呼び掛けた。

制裁対象の物資は今後、海上経由で輸送する必要がある。リトアニア当局者は21日、「旅客やEUの制裁対象になっていない物資のリトアニア通過は途切れていない。リトアニアは領域通過に一方的、個別的、追加的な制限は課しておらず、EUの法令を完全に順守している」と述べた。

カリーニングラードとは何か

カリーニングラードはポーランドとリトアニアに挟まれた飛び地で、ソ連軍が1945年4月にナチス・ドイツから奪取した。その後、ポツダム協定によりソ連領となり、46年にドイツ語のケーニヒスベルクから改称した。

この地域は数十年にわたり軍の厳戒態勢が敷かれ、外国人は立ち入りできなかった。しかし近年は新興観光地となり、2018年のロシア・ワールドカップ(W杯)では複数の試合の開催地となった。

カリーニングラードの人口は約100万人で、大半は同名の州都やその近郊に居住する。幅広い産業を有し、ロシアの中でも特に繁栄した地域となっている。域内にあるバルティスク港はロシア領の港湾としては最も西に位置し、年間を通じて海面が凍結しないという重要な特徴を持つ。

目抜き通りにはソ連時代の陰鬱(いんうつ)なコンクリート集合住宅とともに、往事の壮麗なドイツ建築が立ち並んでいる。

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