ロシアの飛び地カリーニングラード、次の火種になるかもしれない理由

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モスクワとカリーニングラードをつなぐリトアニアの駅。今回の侵攻の写真が見える/Paulius Peleckis/Getty Images

モスクワとカリーニングラードをつなぐリトアニアの駅。今回の侵攻の写真が見える/Paulius Peleckis/Getty Images

ただ、カリーニングラードの重要性は主にその地図上の位置にある。カリーニングラードの南には同地とベラルーシを隔てる細長い道路が走り、ポーランドとリトアニアの領土をつないでいる。「スバウキ回廊」または「スバウキ・ギャップ」と呼ばれるこの道路は、バルト三国とEUの他地域を結ぶ唯一の陸上路となる。

カリーニングラードはロシアのバルチック艦隊の本拠地でもある。RIAノーボスチは20日、同艦隊が以前から予定されていたロケット・火砲演習を開始したと報道。軍要員約1000人などが参加していると伝えた。

EUとロシアは2002年、ポーランドとリトアニアのEU加盟を04年に控える中、ロシアとカリーニングラードの間の往来に関する協定を締結した。両国がEUに加盟すると、この飛び地は3方をEUの領土に囲まれた。ロシアは現在、02年の協定は破られたと主張している。

核が存在?

スウェーデンとフィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟が見込まれる今、ロシアにとってカリーニングラードの重要性はかつてなく増している。ロシア安全保障会議の副議長を務めるメドベージェフ前大統領は5月、両国の加盟計画により「バルト地域の非核の地位について話すことはもう不可能になる。均衡を回復しなければならない」と述べた

ロシアは長年、カリーニングラード周辺のNATO諸国の存在に難色を示してきた。ラブロフ外相は15年、ロシアが核搭載可能なミサイル「イスカンデル」をカリーニングラードに運び込んだと報じられた後、CNNに対し「彼らはNATOのインフラを我々の国境の隣まで移動させた」「ここは米国の領土ではない」と語っていた。

ロシアはカリーニングラードへの核配備を認めていない。しかし米科学者連盟は2018年、衛星画像の分析をもとに、ロシアがこの地域の核貯蔵施設を大幅に近代化したと結論づけた。

ロシアのウクライナ侵攻以降、リトアニアはNATOに対し自国領土に配置される兵士の増加を求めてきた。4月には、ナウセーダ大統領がNATOの「増強前方プレゼンス大隊」を「少なくとも」旅団の規模に変更すべきだと発言。スバウキ回廊の増強も要請した。

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