ドネツク州の住民に避難呼び掛け、ロシア軍迫る
(CNN) ロシア軍がウクライナ東部ドネツク州に迫るなか、ウクライナの当局者は同州に残る住民に避難を呼び掛けている。
ドネツク州の軍政トップ、パブロ・キリレンコ氏は6日、同州トレツクへのミサイル攻撃に言及。この際に「ロシアはドネツク州全体を民間人がとどまるには危険な紛争地に変えた」と述べ、全住民に避難を呼び掛けた。
ウクライナは依然としてドネツク州の45%を支配するが、ロシア軍は隣接するルハンスク州の要衝リシチャンスクを制圧した後、今度はドネツク州のクラマトルスクとスラビャンスクに迫っている。
スラビャンスクで軍民行政府トップを務めるバディム・リャフ氏は、新たな攻撃により避難のペースが上がっているものの、すでに大半の住民が市を離れたと説明。住民約10万人のうち、市内に残っているのは2万3000人程度だと明らかにした。
Slovyansk Military Administration
ウクライナ鉄道はドネツク州を離れる住民の増加を受け、輸送能力を増やして対応に当たる方針。
ドネツク州全体を見ても、一部の住民は当局の避難要請を拒んでいるものの、大半の人はすでに州内のウクライナ支配地域を離れた。キリレンコ氏によると、開戦前に167万人を数えた州の人口のうち、今も残るのは34万人程度にとどまる。
ウクライナ軍参謀本部は4日、ロシア軍がルハンスク州の最後のウクライナ支配都市を制圧した後、ドネツク州のウクライナ支配地域へと進攻を続ける構えを見せていると指摘していた。スラビャンスクとクラマトルスクはこの地域の2大人口集中地となっている。