ウクライナのロシア軍支配地域で穀物200万トン収穫中
(CNN) ロシア軍が支配するウクライナのザポリージャ地方南部の畑で、約200万トンの穀物が収穫されているようだ。同地方ロシア占領地の軍事責任者エフゲニー・バリツキー氏が明らかにした。
バリツキー氏は5日、メッセージアプリ「テレグラム」の自身のチャンネルで「この地域で収穫キャンペーンが進行中だ」と述べ、同地域の今年の収穫量は昨年の150万トンを上回るとの見通しを示した。
同氏は、ザポリージャ州のロシア支配地域で収穫された昨年の穀物の70%がすでに販売されたことも明らかにした。
「穀物の供給は、税関や国境検問所をスムーズに通過できるようにしたクリミア当局との緊密な協力によって円滑に進んでいる」と同氏は述べ、穀物生産者が販売先を選ぶ際には「何の制限もない」とした。
しかし、ザポリージャ州メリトポリ市長のイワン・フェドロフ氏はこれまでに、軍が生産者の穀物販売先と価格に厳しい制限を課していることを指摘している。
フェドロフ氏によると、穀物生産者は「許可」された個人にのみ、通常の半額で売ることができる。
「認定起業家は穀物1トンを約50ドル(約6800円)と評価する。これは原価の半分だ。このような条件では、秋になっても誰も畑に種をまかない」とフェドロフ氏は先週述べた。
ウクライナは、ロシアが南部の占領地から供給された昨年の穀物を横取りしたと非難している。さらに、ウクライナのゼレンスキー大統領は先日、現在も続く戦争のために、秋には6000万トンの同国産の穀物が滞留し、消費者に届かない見込みだと述べた。