麻薬組織の大物を拘束、ヘリ墜落で海兵隊員14人死亡 メキシコ
メキシコ市(CNN) 米連邦捜査局(FBI)の10大重要指名手配リストに名前が掲載されている麻薬組織の大物、ラファエル・カロ・キンテロ容疑者が15日、メキシコで身柄を拘束された。メキシコ海軍の当局者が明らかにした。拘束後に軍のヘリコプターが墜落し、作戦を支援していたメキシコ海兵隊の要員14人が死亡したという。
カロ・キンテロ容疑者は北西部シナロア州チョイスの町の茂みに身を隠していたところを海軍の軍用犬に発見され、海兵隊員に拘束された。
メキシコ当局はカロ・キンテロ容疑者を麻薬組織「グアダラハラ・カルテル」の創設者とみなし、メタンフェタミンやヘロイン、コカイン、マリフアナの密売への関与を指摘している。
声明によると、拘束作戦の実施後、メキシコ海軍のヘリコプター「ブラックホーク」がシナロア州ロスモチスで墜落した。死者のほかに海兵隊員1人が負傷し入院している。
墜落原因は不明で、調査を行う方針だという。
カロ・キンテロ容疑者の正確な年齢は不明だが、60代とみられている。1985年に米麻薬取締局(DEA)特別捜査官の誘拐と殺害を共謀したとして、米当局から指名手配されている。
DEAによると、この特別捜査官は84年に行われた同容疑者のマリフアナ農場への強制捜査の報復として誘拐され、拷問を受けて殺害された。
カロ・キンテロ容疑者はメキシコの刑務所で28年間服役したが、法解釈上の問題で釈放された。FBIによると、釈放後はカルテルの上級指導者として麻薬密売業に復帰していた。