WHO、サル痘で「緊急事態」を宣言
(CNN) 世界保健機関(WHO)は23日、「サル痘」の感染拡大について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」だと宣言した。
WHOは21日に2回目の緊急委員会を開催。WHOのテドロス事務局長は、委員会は合意に達することができなかったものの、感染症が国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態かどうかを決定するために必要な5つの要素を考慮した結果、今回の決定に至ったと説明した。
テドロス氏はまた、「緊急事態を宣言したが、今のところ男性間で性交渉する人、特に複数のパートナーを持つ男性に感染者が多い。つまり、感染が懸念されるグループに正しい戦略を展開することで抑え込める流行だ」とも付け加えた。
WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を、「疾病の国際的な広がりによって他国に公衆衛生上のリスクをもたらし、潜在的に国際的な協調対応を必要とする異常な事態」と定義している。
WHOは6月23日に1回目の緊急委員会を開き、サル痘での緊急事態宣言は見送った。その際、テドロス氏は、緊急委員会は現時点では「この感染発生はPHEICに該当しない」と助言したものの、「進化する健康上の脅威」を認め、WHOは極めて注意深く追跡することになるだろうと述べていた。
米疾病対策予防センター(CDC)のデータによると、米国では現在、44州とワシントンDC、米領プエルトリコで、感染が疑われる症例を含め2800人超のサル痘感染者が報告されている。世界的には74カ国で1万6500人以上の患者が確認されている。
WHOは現在、2014年に始まったポリオと、20年からの新型コロナウイルス感染症で緊急事態宣言を継続している。