ドイツ領事、夫殺害の疑いで逮捕 ブラジル
(CNN) ブラジルの裁判所は10日までに、リオデジャネイロで男性が死亡し殺人の疑いがかかる事案に関連して、同国に駐在するドイツ領事の勾留継続を命じた。死亡したのは領事の52歳の夫で、市内の集合住宅で遺体で見つかった。CNNブラジルが報じた。
リオ警察は6日、遺体の発見後に領事を逮捕した。
裁判所の判事は、証拠隠滅の試みなどを勾留継続の理由に挙げた。裁判所の決定によると、鑑識チームが捜査を行う前に部屋が掃除されていたという。
判事はまた、被害者の体には鈍器外傷に起因する傷が複数認められ、足での踏みつけ行為による傷や木の棒などの円筒形の器具を使った傷があると言及。さらに、住宅内に散らばった血が検知され、特に2人の寝室やバスルームで目立っていたとの鑑識結果に触れ、「暴力による死の動態に一致する」と指摘した。
CNNブラジルによると、領事の弁護士は裁判所に領事の外交特権を主張し、人身保護令状の発出を求めた。
だが、判事は2人が住む住宅内で起きた生命に対する故意の犯罪に起因する逮捕であり、「領事任務とは何の関係もない」と判断した。
CNNブラジルが確認した取り調べの映像では、領事は警察署長に、夫が死亡の数日前からパニックを起こす兆候を示し、神経質で様子が変だったと説明。当日は2人がソファに座っていたところ、夫が立ち上がってベランダに駆け出し、床に顔から転倒したと語った。
領事は夫が酔っぱらって足を滑らせたと思い、その様子を写真に撮ってメッセージ付きで友人に送ったとも供述。その後夫を抱え上げてベッドに運ぼうとしたところ、出血に気づいたとしている。
ドイツ外務省関係者はCNNに、リオデジャネイロの総領事館に着任する人物の逮捕を認めた。ブラジリアの大使館とリオの総領事館がブラジル当局と緊密に連絡をとっているとしたが、進行中の捜査や個人のプライバシーを理由に詳細を明らかにしなかった。