タリバン政権復帰から1年、アフガンで深まる食料危機 「夕食なしの日も」
米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の戦略部門で名誉議長を務めるアンソニー・コーデスマン氏は「人道支援は時間を稼ぐだけで、事態の進展につながらない。収入を増やすわけでもなければ、雇用を作り出すわけでもない」と指摘する。
同氏によれば、アフガン経済全体の衰退は、タリバンの政権復帰とともに始まったのではない。それは国外の援助に依存する同国の体質についても同様だ。
「仮に我々が効果的な援助プロセスについて協議する方法を見出せるなら、つまり資金が国民の下に向かうのが明らかで、かつ広範に行きわたり、単にタリバン政権を支えるだけのものにならない場合には、そのような構想のための協議は可能な限り強力に推し進めるべきだ。しかし噓(うそ)八百を並べ立て、危うい計画の下で進める支援プログラムにこういった資金を持ち出すのは全く理に適(かな)わない。資金の送り先はほかにもたくさんあり、それらの国々は支援を効果的に活用できるのだから」(コーデスマン氏)
カブールの夜間の気温が下がり始め、日も短くなる中、人道支援の活動家らの間には不安が広がる。今年の冬は、昨年よりもさらにひどい状況になりかねない。
前出の国務省の当局者は、「当該国の経済が崩壊するのは、米国の利益にならない」「人道危機が依然として深刻かつ切迫していることは認める」と述べた。