ロシア思想家の娘、自動車爆弾で死亡 父はウクライナ侵攻の「精神的指導者」
(CNN) ロシアで強い影響力をもつ極右思想家アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘が首都モスクワ郊外で起きた自動車爆弾の爆発で死亡した。当局は21日、殺人事件として捜査していることを明らかにした。
死亡したのはドゥーギン氏の娘のダリヤ・ドゥーギナ氏。ロシア連邦捜査委員会は21日、現場から収集した証拠をもとに、計画的な犯行だったとの見方を示した。
国営タス通信がロシア連邦捜査委員会の発表として伝えたところによると、事件は現地時間の20日午後9時ごろ、公道上で発生。トヨタの「ランドクルーザー」に仕掛けられたと思われる爆弾が爆発して車が炎上し、ドゥーギナ氏が現場で死亡した。
父のドゥーギン氏は、ロシアをウクライナ侵攻へ導いた思想の「精神的指導者」とされる人物。ウラジーミル・プーチン大統領に対して強い影響力を持っているとされ、フォーリン・アフェアーズ誌は「プーチンの頭脳」と形容していた。
両氏とも米国の制裁対象となっている。英国は7月、ウクライナに関する偽情報に関与したとしてドゥーギナ氏に対する制裁を発表した。
爆発の様子を映した映像には、車が道路脇で炎上して残骸が一帯に飛び散る様子が映っている。ドゥーギン氏と思われる人物が映った未確認の映像もあった。
ドゥーギナ氏の友人はタス通信の取材に対し、車はドゥーギン氏のものだったと話し、真の狙いはドゥーギン氏だったか、あるいは2人とも狙われた可能性があると語った。
ロシア外務省報道官はウクライナがこの爆発に関与した可能性に言及した。一方、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は21日、ウクライナのテレビのインタビューで「ウクライナは無関係だ。我々は犯罪国家ではない」と述べ、関与を否定した。