ウクライナ、米に長距離兵器を要求 北東部で反転攻勢続く
(CNN) ウクライナ政府は、同国北東部の主要都市でロシア軍に対する大規模な反転攻勢を成功させるなか、米国に対して追加の兵器や弾薬を要求していることがわかった。ウクライナが要望している兵器のリストを目撃した情報筋が明らかにした。
ウクライナ当局者は米議員に対して、反攻の勢いを背景に、攻勢を維持するための新たな兵器を要求している。ウクライナ側が特に求めているのは、最大射程180マイル(約290キロ)のATACMS地対地ミサイルだという。
米国は、ロシア国内への攻撃に使われるおそれがあり、戦闘がさらに拡大する可能性があることから、ATACMSの供与には反対している。
しかし、ウクライナ軍トップが先ごろ発表した分析によれば、ロシア軍には最大射程1200マイルの兵器がある一方でウクライナ軍の持つ兵器の最大射程は約60マイル。このため、ロシア軍はウクライナ軍よりも20倍離れた距離から標的を攻撃することができたという。
米国のオースティン国防長官は、ウクライナからの要求にもかかわらず米国がATACMSを供与しない理由を尋ねられた際、米国はウクライナと必要とする兵器について常に連絡を取り合っているとし、「これは特定の兵器や兵器システムについてではない」と強調した。
情報筋によれば、ウクライナは高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」に使用するミサイル2000発も要求した。米国は今夏、HIMARSの供与を開始したほか、対艦ミサイル「ハープーン」やドローン(無人機)、戦車を提供している。
ウクライナが要望している兵器のリストについては、米紙ウォールストリート・ジャーナルが先に報じていた。
バイデン米政権は今年だけでもウクライナに対して約150億ドル規模の安全保障支援を行っている。
CNNは先ごろ、米国防総省がウクライナ軍に対し、ロシアとの戦争の終結後も含めて、中・長期的にどのように支援するかについて検討し、詳細な分析を準備していると報じていた。