「他人の野心のために死にたくない」 国境に押し寄せるロシア男性、動員令で窮状

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
フィンランドとロシアを結ぶ検問所に並ぶ車両=24日/Roni Rekomaa//EPA-EFE/Shutterstock

フィンランドとロシアを結ぶ検問所に並ぶ車両=24日/Roni Rekomaa//EPA-EFE/Shutterstock

(CNN) ロシアとカザフスタンの国境を隔てる検問所。23日夜、緊張感が漂う中で、車の長い行列ができていた。

ロシア中部エカテリンブルクから来たエンジニアのアンドレイ・アレクセーエフさん(27)は、プーチン大統領の動員令を受け、出国を目指す行列に並んだ大勢の男性の中の1人だった。

車はロシアとカザフスタンの国境検問所を通過する必要があり、それぞれ2時間ほどかかった。

21日朝、目が覚めてプーチン大統領の動員令のニュースを見たアレクセーエフさんは、出国を決意した。その夜、仲間と会って次の行動について話し合い、一切のリスクは避けようと決めて、計画もないままロシアを離れることにした。

プーチン大統領は24日、兵役に関する法律を成立させ、兵役逃れには禁錮10年以下、戦時の脱走に対しては同15年以下の罰則が定められた。

法改正に伴い、ロシア刑法には「動員、戒厳令、戦時」の概念が導入された。プーチン大統領は、大学生の徴兵を猶予する政令にも署名した。

国境では男性全員が、軍に所属しているかどうかなどを尋ねられたという。「それでも国境警備員はよく分かってくれていると感じた。しかし、別の検問所から国境を越えてカザフスタンに向かい、過酷な質問を浴びせられて通過に7時間かかった友人もいる」とアレクセーエフさんは話す。

プーチン大統領が成立させた動員令は、21日の演説で示唆したよりも広範な動員を可能にする内容のようだ。演説では、動員はしないとしていた当初の約束に反して、30万人の予備役を前線に送ると述べていた。しかし政令そのものでは、動員できる人数に上限は設けていない。

メールマガジン登録
見過ごしていた世界の動き一目でわかる

世界20億を超える人々にニュースを提供する米CNN。「CNN.co.jpメールマガジン」は、世界各地のCNN記者から届く記事を、日本語で毎日皆様にお届けします*。世界の最新情勢やトレンドを把握しておきたい人に有益なツールです。

*平日のみ、年末年始など一部期間除く。

「ロシア」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]