抗議デモ・招集ミス・国外への脱出、部分的動員で始まった混乱 ロシア
ショイグ国防相によれば、今回の動員は従軍経験のあるロシア人に限られ、30万人の予備役が対象となる。しかし、動員令自体には、より幅広い条件が与えられており、ロシア人のなかには将来的にはより多くの招集が行われるとの懸念が広がっている。
部分的動員の発表を受けて、ロシア全土で抗議デモが起きているが、警察が取り締まりを行っている。人権団体「OVDインフォ」によれば、ロシア全土の数十都市で24日までに、少なくとも1472人が拘束された。
対象年齢となるロシア人男性は招集される危険よりも国外へ脱出する道を選んでいる。近隣諸国への陸路での国境越えのために長蛇の列ができた様子をとらえた映像が公開されたほか、過去数日で航空運賃は急騰し、航空券の完売が相次いでいる。
フィンランド南東部にあるバーリマーの国境で入国に並ぶ車とフィンランドの警備当局者=23日/Janis Laizans/Reuters
ロシアと国境を接するフィンランドの国境警備当局者によれば、24日には8500人以上のロシア人がフィンランドに入国した。1週間前の土曜日と比較すると62%増加したという。同当局者によれば、約4200人のロシア人がフィンランドを出国してロシアに向かった。
フィンランド南東部にあるバーリマーの国境はロシアからの入国者が最も多い場所であり、同当局者の25日のSNSへの投稿によれば、現地時間午前8時の時点で車列は約500メートルとなっていた。