ハイチ支援の部隊派遣検討を、国連事務総長が国際社会に呼びかけ
(CNN) 人道状況が悪化し危機的な治安情勢に陥っているカリブ海の島国ハイチについて、国連のグテーレス事務総長が国際社会に部隊の派遣を検討するよう呼びかけた。
ハイチはギャング集団による暴力やコレラの流行に反政府デモが重なり、8月下旬以来、まひ状態にある。グテーレス事務総長の発言に先立ち、ハイチ政府自らも国際社会に軍事支援を要請していた。
「国際社会に支援を求める。状況を悪化させないために必要とされるあらゆる手段で我々を支えてほしい。コレラが復活しており、水や医薬品を届ける必要がある。ビジネスを再開させ、医師や看護師が働けるよう、道路を整備しなければならない。燃料を届けて学校を再開させられるよう、支援を要請する」。アンリ首相は5日、そう訴えた。
グテーレス事務総長は9日、「国際専門部隊の即時配備を求めるハイチ政府の要請を喫緊の問題として検討するよう」国際社会に呼びかけた。
具体的にどのような部隊の派遣が求められているのかは明らかにされていない。
ハイチの首都ポルトープランスではギャング同士の抗争によって住宅地が放火され、数千世帯が避難を強いられている。自宅に閉じ込められ、食料や水を確保するための外出さえできない住民もいる。
死者や負傷者、行方不明者は数百人に上る。大都市の一部は犯罪集団に支配され、身代金目当ての誘拐の横行で住民の日常的な移動も脅かされる状況にある。ここ数週間は、燃料の高騰やインフレ、犯罪の横行に抗議して、アンリ首相の辞任を求めるデモが複数都市で続いている。