国連総会、ウクライナとロシアの大使が演説で対決
(CNN) 10日に開催された国連総会の緊急会合で、ウクライナとロシアの国連大使らが演説し、真っ向から対決した。総会では今週中に、ロシアによるウクライナ4州の併合を非難する決議案が採決にかけられる見通しだ。
ウクライナのキスリツァ国連大使は、ロシアがこの日、ウクライナ全土にミサイル攻撃を仕掛けたことに言及。「私の家族は攻撃対象の集合住宅にいる。停電のために防空シェルターへ行くこともできない。すでに親族が何人もロシアに殺され、残虐行為に終わりは見えない」と訴えた。
これに対してロシアのネベンジャ国連大使は、他国がよってたかってロシアを非難し、議場には「危険な冷笑主義」がみられると主張。ウクライナ侵攻を国連憲章違反とする意見を一蹴した。
場内ではキスリツァ氏が拍手を浴び、ロシア代表団は沈黙で迎えられた。
両氏を含む計66人の演説に続いて、ロシアの一方的な併合を強く非難し、国際法違反と断定する決議案の採決が行われる。
ロシアは決議案の採決を無記名投票とするよう求めたが、同日の採決で否決された。107カ国が公開投票を支持したのに対し、反対票は13カ国にとどまり、39カ国が棄権した。