プーチン大統領、「併合」のウクライナ4州に戒厳令
(CNN) ロシアのプーチン大統領は19日に開かれた国家安全保障会議で、国際法に違反して併合しようとしたウクライナの4州で戒厳令を敷く大統領令に署名したことを明らかにした。大統領府が公開した法令によると、戒厳令は20日に導入される。
ウクライナの南部ヘルソン州、中南部ザポリージャ州、東部のドネツク州とルハンスク州はロシアの完全支配下にはない。西側諸国はこの併合を非難し、ロシア領土とは認めないと宣言した。
プーチン氏は「ドネツク人民共和国、ルハンスク人民共和国、そしてヘルソン州とザポリージャ州では、ロシアに加わる前に戒厳令が敷かれていたことを思い出してほしい。今、この体制をロシアの法律の枠組みの中で正式なものにする必要がある」と述べた。
さらに「ロシアのこれらの4州での戒厳令の導入に関する法令に署名した。すぐに上院に送られる」と説明した。
上院憲法委員会のアンドレイ・クリシャス委員長は、SNS「テレグラム」に出した声明で、上院は4州における戒厳令に関するプーチン氏の大統領令をできるだけ早く検討すると述べた。
大統領令には「ドネツク人民共和国、ルハンスク人民共和国、ザポリージャ州、ヘルソン州の領土に2022年10月20日午前0時から戒厳令を導入する」と書かれている。また、領土防衛本部がそれぞれに設置されることになっている。
ロシア下院のビクトール・ボドラツキー副議長は19日、ロシア国営タス通信に対し、戒厳令の導入はすべての治安・法執行機関の業務強化を意味すると述べた。
ボドラツキー氏によると、ヘルソン州以外での住民の避難は予定されていないという。