元伊首相が物議、プーチン氏との親交誇示する音声漏出
(CNN) イタリアのベルルスコーニ元首相(86)がロシアのプーチン大統領との友好関係を誇示する形で、先月の自身の誕生日にウォッカ20本などを贈ってきたことを明かし、反発も買う騒ぎをこのほど起こした。
同国の通信社「ラ・プレッセ」が録音した音声と共に報じた。ウォッカと一緒に、「非常に親切な書簡」も添えられていたとした。
元首相の事務所はCNNの取材に、音声は本物であることを確認。ベルルスコーニ氏が率いる政党「フォルツァ・イタリア」が国会内で開いた会合で秘密裏に録音されたものであることは明らかとした。
同通信が公表した音声記録によると、元首相は「(お礼として)イタリア産のスパークリングワインと共に、同様に思いやりを込めた書簡を返した」と述べたという。
また、「プーチン大統領との関係を再構築した」ともし、プーチン氏がベルルスコーニ氏を「真の友人である5人のうちの1人」と呼んだことも自慢したという。
フォルツァ・イタリアの報道担当者は、元首相がプーチン氏と接触したことは否定。自党議員に語ったことは「数年前のエピソードを紹介した古い話」だったとも説明した。
ラ・プレッセが伝えた音声記録では、プーチン氏はウクライナ戦争のイニシアチブを取ることには反対していたとするベルルスコーニ氏の発言も聞き取れていた。
イタリアでは右翼政党のメローニ党首が首相に就任したばかりで、フォルツァ・イタリアの連立政権入りも予想されている。メローニ氏はウクライナ支持を強固に主張している。ウクライナ情勢を追う関係者の間ではベルルスコーニ氏の今回の発言内容に眉をひそめる反応も出ている。