ウクライナ大統領、効果的な気候政策には平和が必要 COP27
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、エジプトで開かれている国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)でのビデオ演説で、国際社会は気候危機に対応する一体となった効果的な行動を取るために平和を必要としていると強調した。
「共通の目標のために団結する世界の能力を、馬鹿げた違法な戦争で破壊している人々を止めなければならない」とゼレンスキー氏は事前に録画されたビデオメッセージで訴えた。
「地球上の平和なくして効果的な気候政策はありえない。なぜなら、各国は特にロシアの侵略によって引き起こされた脅威から今すぐ自分たちを守る方法だけを考えているからだ」とも指摘した。
ロシアが占領しているウクライナ中南部のザポリージャ原子力発電所の周辺では砲撃が続いており、ゼレンスキー氏は原発事故の危険性を指摘。同発電所は戦争が始まって以来、何度も外部電源を喪失し、一時的にディーゼル発電機に切り替えざるを得なかった。
「例えばザポリージャ原発の事故によって欧州や中東、場合によっては北アフリカが放射能の雲に覆われれば、誰が大気中の温室効果ガスの量を気にするだろうか」とゼレンスキー氏は述べた。
「世界が気候変動問題に対応する時間がないために苦しみが増えることがないようにしなければならない。しかし、そのためには共に効果的な行動を取る必要があり、それには平和が不可欠だ」と付け加えた。