イラン抗議デモで殺害された犠牲者、326人 人権団体推計
(CNN) ノルウェーの人権団体イラン・ヒューマンライツNGO(IHRNGO)は、イラン全土で2カ月前に抗議デモが始まって以来、少なくとも326人がイラン治安部隊に殺害されたとの推計を明らかにした。
同団体が12日に発表した推計によると、犠牲者326人の中には子ども43人と女性25人が含まれる。これは絶対的に少なく見積もった数字だとしている。
イランでは道徳警察に拘束されたクルド系女性マフサ・アミニさん(22)の死をきっかけに、過去最大級の前例のない抗議デモが拡大。逮捕や厳罰の脅しにもかかわらず、有名人やスポーツ選手が相次ぎ反政府デモに支持を表明している。
死者が増え続ける状況について、IHRNGOは国際社会に断固たる対応を促し、イラン政府による重大な人権侵害の責任を問う仕組みの確立の必要性を強調した。
抗議デモが始まって以来の死者は、22州で記録されているとIHRNGOは指摘。大部分はシスタン・バルチスタン州、テヘラン州、マザンダラン州、クルディスタン州、ギラン州で報告されているとした。
イラン当局はまた、テヘラン地域で少なくとも1000人を、デモに関与した罪で訴追している。
抗議デモ参加者は治安関連の罪に問われ、処刑される恐れもあるとIHRNGOは訴える。
11日には国連の専門家がイラン当局に対し、デモ参加者を死刑に相当する罪で起訴しないよう求め、デモ弾圧の道具として死刑を利用することをやめるよう促した。