空手選手ら2人の死刑執行、イランで続く反政府デモ弾圧
(CNN) イラン全土で続く反政府デモに関連して、空手のイラン代表選手など若い男性2人の死刑が執行され、世界中に憤りの声が広がっている。
イランでは昨年9月、道徳警察に拘束された22歳の女性の死を発端として、全土で抗議デモが激化した。このデモに関連して死刑を執行されたのは、これまでに判明しているだけで4人になった。
政府系のファルス通信によると、モハマド・メヘディ・カラミさん(21)とセイエド・モハマド・ホセイニさん(20)は、7日に絞首刑による死刑を執行された。司法当局のミザン通信によれば、2人は昨年、反政府デモに参加したとされ、11月3日に北部のカラジで民兵組織バシジのメンバーを殺害した罪で有罪を言い渡された。
弁護士によると、カラミさんは4日からハンストを展開しており、死刑執行を前に家族と話をする権利は認められなかった。
親族によると、カラミさんは11歳の時から空手を始めてユース代表チーム入りし、国内選手権で優勝した実績の持ち主だった。
カラミさんは、テヘランで公判が始まってから1週間足らずで有罪を言い渡された。家族や人権団体は、カラミさんが拷問を受け、自白を強要されたなどと訴えていた。
ドイツの支援関係者によれば、ホセイニさんはボランティアで子どもたちの指導をしていた。
イラン当局や同国のメディアによると、ほかにも41人がここ数カ月で死刑を言い渡されている。しかし実際の数はそれよりはるかに多い可能性がある。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)と欧州連合(EU)は2人の死刑執行を非難する声明を発表し、イランに対して全ての死刑執行を中止するよう求めた。