イランの女性チェス選手、ヒジャブなしで大会に出場
(CNN) イランのニュースメディア「ジャマラン」は27日、同国の女性チェス選手サラ・ハデムさんが、髪を隠すスカーフ「ヒジャブ」を着けずに国際大会に出場したと報じた。
ジャマランが公開した写真には、ハデムさんが同国の服装規定で義務付けられているヒジャブを着用しないまま、カザフスタンの最大都市アルマトイでの大会に参加する姿が写っている。
ハデムさんは1997年生まれ。国際チェス連盟によると、世界ランキング804位、イラン国内のランキング10位の選手として活動している。
イランでは、ヒジャブの着用が不適切として風紀警察に拘束されたクルド系女性の死をきっかけに、9月から反政府デモが拡大。それ以来何度か、ヒジャブなしで大会に出るスポーツ選手らの姿が報じられてきた。
10月には韓国で開かれたスポーツクライミングの大会に、イラン代表の女子選手がヒジャブなしで出場。本人は後日、ヒジャブが偶然落ちてしまったと説明したが、発言を強制された可能性は否定できない。
11月には女子アーチェリーの選手が、首都テヘランでの表彰式でヒジャブを落とした場面のビデオがSNSに投稿された。反政府デモへの支持表明と解釈されている。
イラン政府のスポーツ省幹部は11月、イスラム教の規定に違反したスポーツ選手らはその後反省し、過ちを償う機会を望んでいると主張した。