独首相、ウクライナへの戦車供与は「米国の対応次第」
(CNN) ドイツのショルツ首相は19日までに、ウクライナが再三要請しているドイツ軍の主力戦車「レオパルト2」の提供について、米国製戦車がウクライナへ引き渡されない限り、承認することへの消極姿勢を示唆した。
同首相は「ドイツは(この問題では)決して単独で行動しない」とし、「非常に難しい局面に直面している中で必要な対応である」との考えを表明した。以前には米国を含む西側同盟全体としての完全な調整が欠かせない問題であるとも述べていた。
米政府はこれまで自国の主力戦車「M1エイブラムス」のウクライナへの譲渡には躊躇(ちゅうちょ)してきた。ただ、米国防総省は同戦車を送り込むことを明確に否定しているわけではない。
ドイツ首相府によると、ショルツ首相は17日夜、バイデン米大統領と電話会談し、ウクライナへの支援策を中心に意見交換した。
ロシアの侵略に抗戦するウクライナは欧米諸国に対し戦車のような攻撃力ある大型兵器の獲得を一貫して求めてきた。欧米はロシアとの全面対決につながることなどを危惧し拒んできたが、ここに来て英国、フランス、ポーランドやフィンランドが主力戦車や軽戦車の供与を一転して決め、米独との溝が表出してもいた。
この中でカナダのアナンダ国防相は18日、ウクライナの首都キーウを訪れ、装甲兵員輸送車200台を新たに提供すると発表した。ウクライナのレズニコウ国防相との共同記者会見で、戦車の提供も打ち消さなかったが近く開催されるウクライナへの軍事支援会合などの結果を待つ姿勢を示した。
この会合はドイツのラムシュタイン空軍基地で開かれるもので、ウクライナへ今後数カ月間にわたって引き渡す軍装備品の最善のあり方などを決める。
ポーランドやフィンランドはレオパルト2をウクライナへ差し向けることに言及したが、再輸出には製造国ドイツの承認が必要な規定がある。ドイツ政府のホフマン報道官は先に、両国からこの承認の申請は届いていないことを明かしていた。