ロシア、独自のドローン製造計画あると主張 イランとの協力合意の報道後
(CNN) ロシア大統領府は9日までに、同国がドローン(無人機)を独自に製造する計画を練っていると主張した。
米紙ウォールストリート・ジャーナルが、ロシアとイランがロシア国内にドローン製造の工場を建設することで合意したとの報道を受けた形の発言となっている。
同紙によると、工場ではウクライナ戦争に投入し得るイラン設計の少なくとも6000機のドローン製造を想定。現行タイプより飛行速度を増した型式を目指し、ウクライナ側の防空網に新たな試練を突き付けることを狙っていると伝えた。
ロシアのペスコフ大統領報道官は記者団との定例の電話会見で、ロシアは様々な用途に応えられる無人機を造る多数の計画を持っていると指摘。
これら計画は実行の段階にあり、プーチン大統領の一連の指示によるものとした。プーチン氏は昨年12月下旬の大統領令でドローン開発の戦略も示していた。政府に対し開発計画のための監督委員会の設置、必要な産業基盤や担当要員の訓練などを盛り込む内容となっていた。
ロシアはウクライナ侵攻でドローンの戦力を重視。イラン政府は侵攻開始の数カ月前、ロシアに自国製のドローンを送ったことを認めている。
英国に拠点がある団体「紛争兵器研究所」は昨年11月、ウクライナ内で撃墜された複数のドローンの残骸などを調べた結果として、材料の82%は米国内の企業の製品だったとも報告していた。
一方、ウクライナ空軍は9日までに、ロシアがイラン製の弾道ミサイルを戦場に投入した場合、防御の手段を持ち合わせていない現状を明らかにした。空軍のイフナト報道官が地元テレビ局の取材に述べた。
ロシアはイランからドローンに加え、弾道ミサイルの「ファテフ」や「ゾルファガール」の引き取りを進めているとも主張した。
西側の複数の政府当局者は昨年、CNNの取材にイランは同年11月の時点で、ロシアへ地対地の短距離ミサイルや攻撃型ドローンを含め約1000の兵器を送る準備をしていたことを明かしてもいた。この当局者はイランの兵器開発を注視する立場にあった。
ロイター通信は昨年10月、イランはこれら兵器をロシアへ供与することを約束したとも報じていた。2人のイラン政府当局者と2人のイラン外交官の情報として伝えたもので、ロシアはより多くのドローンと命中精度が向上した弾道ミサイルの提供を求めたとし、特にファテフやゾルファガールを要望したという。