外国スパイ法案に抗議、2日連続のデモ ジョージア
(CNN) ジョージア(グルジア)の首都トビリシで8日、議会議事堂前に数万人が集まり、前日に続いて抗議デモを行った。
議会は7日、外国から資金を受ける組織を「外国エージェント(スパイ)」として規制する法案を第1回審議で可決。デモ参加者が反対を訴えるこの法案については、ジョージアと欧州の間にくさびを打ち込むものになりかねないと懸念する声が上がっている。
デモ参加者らはジョージア国旗のほか欧州連合(EU)、米国、ウクライナの旗を振っていた。ジョージアは昨年、EUへの加盟を申請していた。ソーシャルメディアの動画には、議事堂の窓に向けての投石や、防護用の策を突破しようとするデモ参加者の姿が映っている。これに対し警察は、放水銃や催涙ガスを使用している。
物議を醸すこの法案は、毎年の収入のうち20%以上を国外から得ている組織に対し、「外国エージェント」として登録することを義務付ける。従わなければ重い罰金を科される。人権問題の専門家らは法案について、ジョージアの市民社会に委縮効果をもたらし、民主主義を阻害することになると警鐘を鳴らす。
ロイター通信の報道によると与党「ジョージアの夢」は、米国の法律を見本にした法案と主張するが、専門家らは隣国ロシアにある同様の法律を想起させると指摘。この法律は外国とつながりを持つ団体や個人を厳しく規制する内容となっている。
法案は成立までにさらに複数の段階を踏むことになるが、議会では幅広い支持を得ている。
7日の抗議デモに関連して、少なくとも76人が逮捕された。
ジョージアは長年にわたり、民間での親欧州感情と強大なロシアを隣国に持つ地政学との間で微妙なバランスを取ってきたことで知られる。