米国人拉致に関与か、麻薬密売組織が謝罪の手紙を発表 メキシコ
(CNN) 先週メキシコで発生した武装集団による拉致に関与したとみられる麻薬密売組織が謝罪の手紙を発表し、組織の構成員5人を地元当局に引き渡したことが10日までに分かった。オンライン上に出回った画像や、CNNが捜査に詳しい当局者から入手した当該の手紙から明らかになった。
メキシコ北東部タマウリパス州のマタモロスで起きた拉致事件では、米国人の旅行者2人とメキシコ人の女性1人が殺害された。
情報筋がCNNに告げたところによると、捜査員らは上記の手紙を本物だと考えている。
手書きの手紙の中で、麻薬密売組織「ガルフ・カルテル」は現地のマタモロスと被害者、その家族らへの謝罪を表明。3日に起きた事件を強く非難するとした。
その上で、拉致などに直接関与した構成員を当局に引き渡す決定を下したと続けた。構成員らのとった行動は本人たち独自の判断による規律を欠いたものであり、ガルフ・カルテルが日頃運用する規定に反していると強調した。
オンライン上に投稿された画像の1枚には、道路にうつ伏せで寝かされ、シャツで顔が隠れた状態の5人の男が写っている。そばでは制服を着た複数の当局者が5人を見下ろしている。
殺害された米国人2人の遺体は9日、米外交当局に引き渡された。別の米国人旅行者2人は同様に拉致されたものの無事だった。
CNNは画像が本物かどうか確認できていない。またメキシコと米国双方の当局にコメントを求めた。