レバノン政府、夏時間移行の延期を撤回 2つの時刻混在の混乱受け

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ミカティ暫定首相の当初の計画では、夏時間への移行を3月25日から4月21日に延期する予定だった/Dalati Nohra/EPA-EFE/Shutterstock

ミカティ暫定首相の当初の計画では、夏時間への移行を3月25日から4月21日に延期する予定だった/Dalati Nohra/EPA-EFE/Shutterstock

(CNN) 中東レバノン政府は、夏時間への移行を1カ月延期するとしていた先の決定を撤回した。ミカティ暫定首相が先週発表した移行延期に対しては、国内で反発が広がって2つの時刻が混在する事態になっていた。

ミカティ暫定首相の当初の計画では、夏時間への移行を3月25日から4月21日(イスラム教の断食月ラマダン後)に延期する予定だった。これに対して教会や報道機関などが反発し、国内で混乱が生じていた。

その後政府が採決を行い、29日夜から30日になるタイミングで夏時間に移行することを決定。この措置は「平穏な話し合い」を経て決まったと説明している。

ミカティ暫定首相は「技術的問題に対応するため、これを実行に移すうえで48時間の期間が必要だった」と述べ、「問題は夏や冬のタイミングにあるのではない。問題はそもそも大統領職の空白にある。首相として、私にはこの空白の責任は一切ない」と強調した。

レバノンは政治的混乱状態にあり、昨年10月にアウン大統領が辞任して以来、議会は大統領を選出できていない。

ミカティ暫定首相は、当初夏時間移行の延期を決めたのは「他の宗派を害することなく、ラマダン月に断食をする人たちに1時間休んでもらう」ことが目的だったとしたうえで、「この決定を問題とみなす人たちがいて、私が想像もしなかった事態をもたらした。この決定に、決して宗派や宗教的な意図はなかった」とした。

政府は当初、延期の理由を説明していなかったが、現地のメディアはラマダンに合わせた措置だと推測していた。ラマダンの間、イスラム教徒は日の出から日没まで飲食を控える。

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