夏時間移行で混乱、2つの時刻が混在する事態に レバノン
(CNN) 中東レバノンで夏時間への移行に伴う混乱が生じ、2つの時刻が混在する事態になっている。
夏時間をめぐっては、冬時間からの移行予定日を3月25日から4月21日に延期するとミカティ暫定首相が発表していた。
ところが教会や報道機関などがこれに従わなかったことから、国民の間で混乱が生じた。
移行を延期した理由は発表されていないものの、現地のメディアはラマダン(断食月)に合わせた措置だと推測している。
レバノンの政治は宗教対立が激しく、議会の議席は宗教によって割り当てられている。
延期に対する批判は拡大し、MTVレバノンとLBCIレバノンのテレビ局2局は予定通りに25日から夏時間へ移行する抗議行動に出た。
ミドル・イースト航空は、全便の運航時刻を1カ月間変更し、時刻を1時間進めると表明した。
携帯電話やパソコンなど電子機器の時刻の同期について、政府が担当当局に変更を伝えたかどうか明らかにしていないことも混乱に拍車をかけている。
SNSに出回った首都ベイルートのラフィク・ハリリ国際空港の時計の写真では、一方の時計が午前10時5分を指していたのに対し、もう一方の時計は午前9時5分を指していた。
ロイター通信の記者は25日夕、ベイルートのカフェで、「明日からキリスト教とイスラム教のどっちの時計に従う?」と尋ねる客の会話を耳にしたと伝えている。