台湾総統、マッカーシー米下院議長と会談 「民主主義が脅威にさらされている」
(CNN) 台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は5日、マッカーシー米下院議長と米ロサンゼルス近郊で会談し、「民主主義が脅威にさらされている」と訴えた。台湾の総統が米本土で米下院議長と会談するのは初めて。
台湾は蔡氏の米国滞在中の詳しい行動予定を明らかにしていなかったが、中国の脅威に対する民主主義の連帯を示すため両氏が会談すると予想されていた。
蔡氏はシミバレーにあるロナルド・レーガン大統領図書館でマッカーシー氏に加え、米議員の超党派グループにも面会した。
マッカーシー氏と並んで記者会見に臨んだ蔡氏は「今日、我々が維持してきた平和と、懸命に築いてきた民主主義が前例のない困難に直面していることは皆が知っている」「我々は再び民主主義が脅かされている世界に身を置いており、自由のともしびを輝かせ続ける切迫性を過小に扱うことはできない」などと述べた。
さらに「台湾の人々の暮らし方を守る取り組みにおいて、米国が我々の側についていることに感謝している」と謝意を示した。
一方、マッカーシー氏は「台湾と米国の人々の友情は自由な世界にとって極めて重要な問題だ。この友情は経済的自由、平和と地域の安定を維持するために不可欠だ」と述べ、台湾を支持する姿勢を強調した。
中国は蔡氏の訪米について、中国と米国の間に「深刻な対立」を引き起こしかねないと警告していた。会談に先立ち、中国の福建省当局は声明を出し、3日間にわたる「共同巡視・点検」のために「大型の巡視救助船」を台湾海峡に派遣したと明らかにした。
昨夏、当時のペロシ米下院議長が訪台した際には中国は対抗措置として台湾付近で大規模な軍事演習を行った。